2022年1月30日をもちまして終了いたしました。
張力と重力を素材にした彫刻
篠田守男(1931~)は「tension&compression」をコンセプトに、現代美術の第一線で活躍し続ける彫刻家です。このコンセプトは、1958年のバックミンスター・フラーの建築理論との出会いから発想を得たものです。他に類をみない独創的表現は、1966 年のヴェネツィア・ビエンナーレ出品にみられるよう国際的にも高く評価されています。篠田作品の大きな特徴は、張力をかけたワイヤーを構造体にして作品の一部を浮遊させる、幾何学的な構造と金属素材が醸し出す緊張感にあると従来みなされています。そのため、作品に潜在する自然風景や肉体のライン、星の軌道をモチーフとした有機的な要素、すなわち篠田の自然観に目を向けることはあまりありませんでした。ところが篠田の制作ノートをひもとくと、独自の自然観照が伺える文章が散見され、80年代中頃からは「世阿弥」や「雲」「借景」などの言葉を作品タイトルの副題に用いて、禅文化にみられる日本古来の自然観照への共感を表しています。自然観は篠田芸術を語るうえで不可欠な要素なのです。本展では、1958年以前の石彫作品から最新作までの作品と資料を合わせて約50点展示し、これまでの作家活動を自然観という観点とともにあらためて振り返ります。90歳を迎えてもなお制作意欲の衰えない篠田守男の芸術をご覧ください。
TC 8414 シュヴァンクマイエルの不思議な世界(2016)個人蔵
TC5908(1991)
TC6101 湯浴(1992)
ET72X(1967)
TC8621(2017)
TC8905X NIIHARI ProjectⅠ (2021)
TC8609 ユングのシンクロ二シティ(2017)
篠田守男作品集 『篠田守男-Subconscious-』
本展開催を記念して篠田守男作品集『篠田守男-Subconscious-』を刊行。90年の生涯の軌跡がこの一冊に。これまでに制作した作品、約850点の作品一覧に加え、詳細年表を掲載。ヴェネツィア・ビエンナーレの思い出や、これまで行った主なプロジェクトの紹介。文豪ヘンリーミラーや写真家安齋重男との交流も掲載しております。
全123ページ 税込み1,500円です。当ホームページからお買い求め頂けます。限定部数での販売です。
記念対談「篠田守男の彫刻空間と禅の美」
日 時 10/9(土) 13:30~ 開場12:45~定 員 150名(先着順)対談者 篠田守男/ 酬恩庵一休寺 住職 田邊宗一師
参加費 無料会 場 穂高神社内「参集殿」
ワークショップ「篠田守男と一緒に作って飾ろう」
日 時 10/10(日) 13:30~15:00参加費 無料会 場 碌山公園芝生にて( 碌山美術館隣接施設)持ちもの ハサミ